虎豆煮
Toramame-ni
2010年は寅年。一回り前は「虎魚(オコゼ)の造り」でなんとかクリアしましたが、果たして、他に虎がらみの食材や料理はあるのか… かなりの難関でしたが、ありました! 「虎豆」です。さっそく、北海道産のものを仕入れました。
インゲン豆の仲間で、白地に黄褐色の斑模様が特徴。この模様を虎に見立てて虎豆と呼ばれ、美しい豆です。味も上々。煮豆にするとポクポクと歯触りが良く、「煮豆の王様」と呼ばれるほどです。
下処理は、一晩水に浸して十分に膨らませ、戻し汁に少量の塩と重曹を加えて茹でます。味付けは甘煮が王道ですが、シンプルに昆布と塩だけで炊いても美味しいです。よりシンプルに行くなら、茹でたてに塩をまぶしただけの塩虎豆。豆そのものを味わうならこれが一番。上出来の枝豆風味で、お酒のつまみに最高です。
虎豆を味わいながら、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」の格言を思い出し、今年は冒険の年とするか、それとも「まめ」に働いて「虎の子」をため込むか(笑)。いやいや、「虎の威を借る狐」にだけはなるまいと自ら戒めるもよし。いずれにしても、虎に絡む名言や格言が古くから伝えられています。2010年は、虎とともに温故知新でしょうか。