クスクス
couscous
mslab 恒例の『干支のお料理』、2003年はマグレブ(maghreb=北西アフリカのモ
ロッコ、アルジェリア、チュニジアの三国を指す)からリビアにかけての代表的 料理、クスクス(couscous)です。マグレブの旧宗主国はフランスというわけで、クスクスはパリでもポピュラーな料理です。奇しくも、2002年のタルタルステーキに続き、フランスで定着しているエスニック料理になりました。
デュラム小麦の粗い粉末をクスクスと呼びますが、それにシチューのようなソースを掛けた料理もまたクスクスです。このク
スクス、鶏肉や牛肉でも作りますが、何と言っても主流は羊。蒸かした粗挽き小麦にマトンやラムのトマトソース煮込みを掛けて食べる感じです。
さて、羊を食べることはどの宗教も禁じていないだけあって、世界中にはたくさ んの羊肉料理があります。
北京風の火鍋には羊肉を欠くことが出来ません。日本にだってジンギスカン鍋があります。中近東のカバブも羊が主流。アイルランドの肉ジャガと呼ばれるアイ リッシュ・シチューも羊でなくはいけません。
生きた羊の姿は、どうもその従順 そうな振る舞いが好みではありませんが、それ故に、人間は羊に人格(?)を感 じることなく、いにしえの昔から重要な食料としてきたのでしょう。羊はあらかじめ生け贄となることを準備された可哀想な動物なのかとも思われます。
ともあれ、マグレブ(Maghreb)とは、アラビア語で「西方」「日の没する国」 を意味する言葉。はるか遠方から伝わった羊肉料理を味わいながら、2003年を歩み始めることにしましょう。
レシピ:
1. オリーブオイルで玉葱をよく炒める。
2. 塩胡椒をしたマトン(またはラム)のブロック肉と粉末にしたキャラウェイシード・コリアンダーシードを加え、さらに炒める。羊肉の色が変わったら水を加え、あくを取りながら2時間ほど煮込む。トマトぺースト(またはトマトピューレ)・セロリ・ニンジン・ジャガイモ・ズッキーニを加える。野菜に火が通ったら、塩胡椒で味付け。
3. 唐辛子とコリアンダーシード・ニンニク・クミン・キャラウェイシード・オリーブオイルなどをすり鉢ですり合わせて、クスクス専用の辛み調味料=ハリサ(アリサ)を作る(高級スーパー等で缶詰を入手することも可能)。
4. クスクスの粉に同量の熱湯を掛け4〜5分。これをバターで炒める。
5. 蒸けたクスクスに羊肉のシチュー(ソース)を掛けて完成。ハリサはお好みでどうぞ。