狗不理包子
gou bu li bao zi
2006年は戌年。難関である。 実は、『MSLABの干支のお料理』は2005年の酉年から二巡目に入っています(最初の二年は、もろもろデジタル化が進んでいなかったため記録が残っていない)。1994年の戌年は、ホットドッグでお茶を濁して、まことに不評でした。
さて、2006年。「戌」「犬」「狗」で探し回った挙げ句、たどり着いたのが「狗不理包子」。「犬肉の包子」でもなければ、「犬も振り向かない包子」でもありません。天津名物のちょっと小振りの肉まんです。
狗不理包子の名は、狗子という包子職人の名前に由来しています。
狗子が天津の包子屋に就職したのは14歳、1845年のことでした。狗子の作る包子はとても美味しく大評判に。一心不乱に包子を作り続ける狗子を見て、客たちは「狗子は包子作りに精出して、それ以外の事に一切構わない(不理)」と噂したとか。
「天津に行っても、狗不理包子を食べなければ天津に行ったことにならない」とまで言われる狗不理包子。西太后や毛沢東もその味を愛しました。
さて、レシピですが…
薄力粉とドライイーストを使って、普通の中華饅頭の生地を作ります。餡は、豚肉と長葱だけで、胡麻油と醤油でしっかり味付け。豚肉はひき肉ではなく、包丁で小さめの細切れを作るのが絶対です。今回は、隠し味に腐乳と芝麻醤を使いました。
包むのが難しいかなと思いましたが、まぁ「破けない」というのをOKラインとすれば、何とかなるものです。
一心不乱の集中力が生んだ狗不理包子。百個食べたからといって、雑念や煩悩から脱することができるわけではありませんが、なにやら教訓含みの包子ではあります。