
九州ならではの豚骨ラーメンを生まれて初めて食べたのは1977年の10月か11月。ほぼ50年前だ。
大学4年で映画界に片足を突っ込んでいた。鹿児島出身の先輩助監督が連れて行ってくれたのが新宿末廣亭近くにある桂花ラーメン末広店。お隣熊本のラーメンだが、先輩は、「ラーメンはこんでなきゃイカンのよ!」と熱弁。
映画演劇関係者が集まるバーというか居酒屋が新宿二丁目の西端あたりにあり、小腹が減ると明治通りを渡って桂花ラーメンへ(つまみを頼むと高くつくから(笑))。
食べたらまたバーに戻ってサントリーホワイトの水割りだ。凄まじい飲み方をしていたものだ。
当時東京でラーメンと言えば醤油味の東京風か札幌ラーメンくらいだった(ホープ軒系の東京豚骨もあったがマイナーだった)。桂花の白濁した濃~いスープとポキポキすると言ってよいほどの硬い麺。カルチャーショックだった!
それ以来、お気に入りの桂花ラーメン。今も年に数回は食べる。
よく行くのは新宿東口近くの『桂花ふぁんてん』。店名は熊本にあった『桂花飯店』から取ったそうだ。最初は、「ふあんてん」と銘打ったが、世にワープロが出てくると「不安店」と変換されてしまい縁起が悪い。「ふぁんてん」に変えたらしい。
45年前、今あるビルの1階に開店。数年後に地下2階に移った(厨房は地下1階)。
フロアと厨房は荷物用エレベーターとインターフォンでつながっている。カウンター席に座るとインターフォンを通して厨房で麺の湯切りをする「ザァザァザァ」という音が聞こえてくる。なんとも嬉しい瞬間だ。
この『桂花ふぁんてん』、今月(2026年6月)一杯で閉店するという。
夏の酷暑化が進むなか、老朽化したビル内の厨房での熱中症対策が限界に達したそうだ。移転先は現在検討中とのこと。こんなところにも気候変動の影響が…
私の定番はゴロゴロ角煮と生キャベツが売りの太肉麺(ターローメン)。状況が許す限り瓶ビールも頼む。健康に良くない組合せだとは重々承知の上。たまには許して(笑)。
エラい!と思ったのは、今働いている店舗スタッフは他店舗に移ってもらい雇用を続けると。
1人も路頭に迷わせない!
合理化が進むごとに、それまで支えてくれた労働者をいとも簡単に首切りしてしまう大手企業(特にIT系)の経営者に桂花のツメを煎じて飲ませたい。いやまず桂花の豚骨スープを啜れ!だ(笑)。

