筍とペコリーノ・ロマーノ(Pecorino Romano)は合うのではないか… ふと思った。
手に入れたのは5月~6月に旬を迎える地元多摩市産の真竹。孟宗竹よりズッと細くてアクが少ない。
ペコリーノ・ロマーノと聞くとちょっとグルメな人は、「あぁ、カチョエペペね!」と来るでしょう。羊乳から作るイタリアの硬質チーズで、カチョエペペはペコリーノと黒胡椒だけで味付けするパスタ。ローマの郷土料理だ。パルミジャーノを混ぜて使うレシピもあるが、「反則だ!」と主張する向きもある(笑)。
イタリアの初夏の料理に、Fave e Pecorino(そら豆とペコリーノ)というのがある。
生のそら豆(日本のものとは種類が違い生食できる)とペコリーノ・ロマーノをオリーブオイルで和えただけ。極めてシンプルだが、これが美味しい! 軽く茹でた日本のそら豆を使ってもそれなりに再現できる。
Fave e Pecorino の何がそんなに美味しいのか?
そら豆や枝豆のような未熟果には独特の香りがある。青臭く感じることもあるし、トウモロコシのような甘さが漂うこともある。若草が萌えるような香りとでも言おうか…
この萌える香りが適度な塩分と独特の風味を持つペコリーノ・ロマーノとベストマッチするようだ。
茹でたての筍を包丁で割ると得もいわれるいい香りが漂う。間違いなくトウモロコシの香り。筍とそら豆には共通する“萌える香り”がある。
そら豆-枝豆-トウモロコシ-筍に共通する“萌える香り”の正体は?
考えてみれば、未熟果(そら豆・枝豆・トウモロコシなど)も成長点(筍・アスパラガスなど)も、「猛烈に細胞分裂を行っている場所」という意味では同じだ。
ちょっと調べてみると、未熟果や成長点では細胞分裂を急速に進めるためにアミノ酸の一種のメチオニンが大量に生成される。メチオニンは酸化・加熱・光分解などによって変化し香気成分のメチオナールを生成するのだという。
このあたりは門外漢なので、これ以上深入りはしませんが(笑)。
…と、前起きがえらく長くなりましたが、「真竹とペコリーノ・ロマーノ」です。
まず下茹で(アク抜き)ですが、真竹はアクが少ないので糠は不要。鍋に唐辛子と塩少々を入れた水を用意し真竹を投入。沸騰したら落とし蓋をして弱火で20分。そのまま冷まします。
冷めたら皮をむいて二つ割り。萌える香りがワッと漂います。
ほんの少しだけ塩を振ります。ペコリーノに塩分があるのであくまで控えめに。
オリーブオイルを少し垂らしたフライパンでソテーし、グレーダーで降ろしたペコリーノを振れば完成。下茹でさえ終えればこの上なく簡単です。
筍の萌える香り”とペコリーノ・ロマーノ。美味しゅうございました!
なお、ペコリーノ・ロマーノと“萌える香り”のマッチングに関しては、「ペコリーノにもメチオナールが含まれていて相乗効果が考えられる」「ペコリーノの塩分が香りを感じるための引き金を引く」などの説があります。




