絞り出しという茶器

和モダン系の器に手を出すのは珍しいのですが、これはよかった。信楽焼です。 “絞り出し”という急須の一種。取っ手もなければ茶漉しもない。本体と蓋の間の隙間から文字通り絞り出す感じ。 中国茶器の蓋碗(がいわん)に近いです。 …

かぶせ茶(冠茶)とは…

玉露は素晴らしく甘い!その秘密が遮光幕などで日光を遮る栽培法にあるのはご存じの方も多いと思います。 アミノ酸(テアニン)からカテキンへ変性が抑えられ、渋みが少なく、旨みが豊富になるのです。テアニンを多く残し、カテキンを少…

煎茶と桜餅

湯飲みに口を近づけた。桜餅の香りがほのかに漂う… なにやら複雑な気分で迎える桜の季節。首相主催の桜を見る会が中止になったのはヨシとしましょう。しかし、その闇は、ひとつも暴かれていない。 毎年この季節、桜の開花に先行して、…

日本列島在来種による和紅茶

お茶の日本列島在来種とはなにか? 明治時代に、“やぶきた”が登場する前から、日本列島で栽培されていた品種を指します。今回味わったのは、熊本県芦北市で栽培されている在来種による紅茶(和紅茶)です。その年の最初に出た新芽を使…

和紅茶はノープレスで

日本の発酵茶。碁石茶に比べると歴史は新しいですが、和紅茶のお話… 最近、日本産の紅茶に注目しています。いわゆる“和紅茶”。気候の関係で、日本列島では、世界で主流のダージリンやアッサムといった茶木は育たないそうです。主に使…

日本列島にも発酵茶がある

ひとつひとつの四角は、塩昆布と同じくらいの大きさ。 しかし、塩分はありません。これはお茶。それもかなり古くから伝わる日本茶の一種です。 碁石茶(ごいしちゃ)。高知県の山間部(長岡郡大豊町)だけで作られています。 筵に並べ…

玉緑茶考 プラス フランス人から買う日本茶

最近、玉緑茶(たまりょくちゃ)というのをよく飲んでいます。「ぐり茶」と呼ばれることもあります。 製法は、途中までは煎茶と同じですが、精揉(茶葉の形を細長くまっすぐに整える)工程がないので、茶葉が丸いぐりっとした形をしてい…

釜炒り茶という日本茶

「釜炒り茶って知ってますか?」と聞くと、「なにそれ?」という人と、「常識でしょ!」という人と、大きくふたつに分かれるのではないでしょうか。 日本茶(煎茶)は、摘んだ直後に蒸すことで酸化を防いでいます。抹茶の原料になるてん…

お茶と器

最近、お茶と器のことを考えている。 つい数日前、煎茶道の先生の所にお邪魔した。当然、煎茶でもてなされたが、茶碗は土もの(陶器)。それも先生の友人の素人さんが作った野趣溢れるものだった。 「えっ、煎茶道では、京焼きとか伊万…

ミルクの香りの台湾茶

これはお茶なのか… まず、茶葉の香りを嗅いでビックリ。 金萱茶系のお茶は、大体「バニラの香り」とか「ミルクの香り」とか銘打たれているが、今回のナイ香金萱(ナイシンジンシャンと読むらしい。ナイは女+乃)は格別だ…

Jasmine Pearl

ジャスミン茶の中での優れものと言えば茉莉白龍珠。「モーリーバイロンジュ」と読むらしい。英語では「Jasmine Pearl」。美しい! ジャスミン茶といえば、安物の緑茶に無理矢理ジャスミンの香りを吸わせたような印象がある…

ぐわんばれ!日本茶

自分で中国茶にはまっていながら、日本茶のことが心配になってきた。と言っても、抹茶は庶民のものとは言いがたいし、番茶ではあまり論ずることもない。中国茶と比較するなら、文化的にも価格帯的にも煎茶だろう。 ところが、前に書いた…