すべて蔵付き微生物+木桶造り

少し前に書いたとおり、日本酒造りに貢献する主な微生物は、麹菌、乳酸菌、酵母の3種類です。 このうち乳酸菌については、山廃造り、生酛造りでは蔵付きの菌を、酸基醴酛(さんきあまざけもと)では別培養した菌を使います。速醸法では…

精米歩合90%の酒

大吟醸は50%以下、吟醸は60%以下。日本酒に用いる酒米の精米歩合だ。 米を磨く。要するに米粒の外側を削り取って棄てることで、雑味の少ない綺麗な酒を目指す。磨き上げることで果実香も出やすくなるとされる。 これが今も続く吟…

生酒5年熟成の驚き

日本酒の生酒と言えばフレッシュさが命。新酒の季節に華やかな果実香をまとって続々と出てくる。 しかし… 数日前に入手した『玉川 自然仕込 純米酒(山廃) 2019BY 澱がらみ無ろ過生原酒』。 2019BYとあるので、酒造…

謎のセイコガニ

セイコガニが一杯198円! 例年なら最低でも1000円前後、高いときは1980円なんてこともあったのに…   セイコガニとは卵を抱えたズワイガニの雌のことで、地方によって、セコガニ、香箱ガニなどとも呼ばれます。…

『玉川』に酔う

京丹後市の木下酒造と言えば『玉川』。 杜氏がイギリス人のフィリップ・ハーパーさんということで、なにかと話題になっています。 映像や印刷物でハーパーさんが日本酒に注ぐ熱い思いは知ってました。 しかし、まず『玉川』が入手でき…

柑橘系際立つ松江の酒

「豊の秋」は島根県松江の米田酒造のブランド。中でも純米吟醸は「花かんざし」と銘打ってます。 コロナ禍の少し前だったか… 新宿の居酒屋で出会って、「これはイケる!」と思った記憶が。 出入りの酒屋で、「花かんざし」発見! “…

百舌鳥という名の日本酒

最近は小洒落たラベルの日本酒が多い。特に余白を生かしたデザインが目立つようになった。 出会ったのは、上喜元の『百舌鳥』。 百舌鳥(モズ)というと小っちゃいくせに獰猛な肉食で、はやにえ(冬に向けて保存用に獲った蛙など)を木…

しぼりたて生原酒を味わう

小さな酒蔵の快挙に乾杯! 蔵人だけが味わえるしぼりたての生原酒を翌日に呑むという贅沢を経験しました。 どこの酒蔵でも、新酒と呼ばれるものは“しぼりたて”を売りにしています。 ただ、まったくのしぼりたてでは味が安定しないの…

酸基醴酛(さんきあまざけもと)を味わう

このところ贔屓にしている酒蔵があります。 岩手県紫波町(しわちょう)の廣田(ひろた)酒造店。ブランド名は廣喜(ひろき)です。 紫波といえば南部杜氏発祥の地。江戸時代初期からの酒造りの歴史を誇ります。 この蔵が目指す日本酒…

もう1本の日本酒映画

ひとつ前の記事で言及したドキュメンタリー映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』には前作があります。『カンパイ!世界が恋する日本酒』で、監督は同じ小西未来さんです。 主な登場人物は男性3人で、 ジョン・ゴントナー:日本を中…

八反草と女性杜氏

酒は東広島安芸津にある今田酒造の『富久長(ふくちょう) 純米吟醸 八反草(はったんそう)』。八反草は酒米の名前で、初めて出会いました。 広島には、“八反”が付く酒米が何種類かあります。少し名が知れているのは八反錦。これは…