IPAという苦~いビール

IPAとはインディアン・ペールエールのこと。
イギリスがインドを植民地支配していた時代、長い船旅でも腐らないようにホップを思い切り効かせて造ったビールです。
ブルーのラベルはスコットランド、ブリュードッグブルワリー製。
PUNKを名乗るほどデタラメなビールではない(笑)。苦味とフルーティーさのバランスが絶妙。

ラベルの下のほうには、“POST MODERN CLASSIC”とも。ポストモダンで古典的???私の英語力ではニュアンスを正確には理解できませんが、気持ちはなんとなく…

グリーンラベルはシカゴのグースアイランドブルワリー。ラベルの半分をホップのイラストで埋め尽くしただけあって、苦味最高!目が覚めます(笑)。

ルーツをたどれば“帝国主義の落とし子”とも言えるIPA。今、世界中で大ブームです。何をやるにもストレスだらけの時代に強い苦みがウケているのかも知れませんね。

【追記1】言ってしまえば、チョコレートもコーヒーも紅茶も帝国主義の落とし子。胡椒のぶんどり合戦は植民地争奪戦の大きな発端のひとつでした。

世に溢れる帝国主義の遺産を享受するとき、その背景にある負の歴史に想いを巡らせることも大切かなと思います。

【追記2】
今、ビールに帝国主義の直接の影を見ることはありませんが、前記の3つの他にも綿花などではフェアトレードが成立しないなど、新しい形の帝国主義が見え隠れします。否、ある意味、それが堂々と闊歩していることを忘れてはいけないのでしょう。

絞り出しという茶器

和モダン系の器に手を出すのは珍しいのですが、これはよかった。信楽焼です。
“絞り出し”という急須の一種。取っ手もなければ茶漉しもない。本体と蓋の間の隙間から文字通り絞り出す感じ。
中国茶器の蓋碗(がいわん)に近いです。

取っ手のない急須=宝瓶(ほうびん、または、ほうひん)よりもさらに原始的な急須。原始的じゃなくて素朴と言えば聞こえがよいか(笑)。

茶殻が処理しやすい。茶葉の色の変化がよく分かる。
その良さを棄ててまで、注ぎ口や茶漉しが必要だったのか… 絞り出しのほうがイイじゃん!と余計なことまで考えてしまいました。