百舌鳥という名の日本酒

最近は小洒落たラベルの日本酒が多い。特に余白を生かしたデザインが目立つようになった。
出会ったのは、上喜元の『百舌鳥』。

百舌鳥(モズ)というと小っちゃいくせに獰猛な肉食で、はやにえ(冬に向けて保存用に獲った蛙など)を木の枝に刺したまま忘れてしまうとか、個人的にはあまり好感は持っていなかったのですが…
はやにえ忘れは誤情報で、ちゃっと食べているそう。
そして、“百舌”の云われは、様々な鳥の鳴き声を見事に真似るから。なんのために真似ているのかは研究中とのこと。
鳥の鳴き声が言語であるというのは今や常識。島言葉から津軽弁まで流暢に使いこなす百舌鳥の言語体系はどうなっているのか(笑)。

で、お酒に戻ります。上喜元は山形県酒田酒造のブランド。どれを飲んでも美味しいですが、今回は初めて出会った百舌鳥の一升瓶に手を伸ばしました。
酒蔵の能書きとしては百舌鳥に引っ掛けて、「どんな飲み手にも、どんな料理にも」という間口の広さが売りのよう。流行のダイバーシティですか?と突っ込みたくなります(笑)。

間口の広さはイマイチ認識できませんでしたが、品の良い果実香+米の香り。出来の良い吟醸だと思いました。お手頃値段だし。
米の香りありだけど糠臭さは一切なし。そういう意味でも品が良い。個人的には少し甘かったかな…とも。
その吟醸香は、さすがラフランスとかブドウの産地。微妙に洋物果物の香りがきます。なかなかイイです。このお酒。