偶然、手に入ったフィンランドビール。
醸造会社は Laitila(ライティラ)と言います。
2001年以来、すべての製品を風力発電による電気で作っているそう。20年前から!北欧の環境意識の高さには頭が下がります。
瓶ビール派の私としては、缶なのが少し残念ですが…
ブランド名の Kukko は想像の通り「オンドリ」を指します。発音は「クッコ」。
英語の「カッカドゥードゥルドゥー」よりも日本語の「コケコッコー」に近い感じがして、思わずニンマリ(笑)。
そう言えば、以前に取材した鳥取の養鶏場の社長さんは、ニワトリたちを“コッコ”と呼んで愛でてました。採卵養鶏なのでメンドリで、平飼いでした。
で、フィンランドビールに戻ります。
向かって右は TUIMA。ドイツの黒ビールの一種ドッペルボック(Doppel Bock)というカテゴリーです。濃厚さが売りなので楽しみです。
中央の HELES はチェコのピルスナータイプ。ということは、日本の大手のラガービールに近そう。
左は世界中で大流行りのIPA(インディアン・ペールエール)。ホップを効かせて苦みが立っているはず。
…というわけで、降って湧いたフィンランドビールブーム。1本ずつ楽しんでみました。
オレンジ缶のIPA。
濃厚な味で、よく出会うシャープな苦みのIPAとは一線を画します。
ほどよい苦みに黒ビール系の甘味がかぶさる感じ。うっすらと酸味も。
色からして黒ビールに近い濃褐色でした。
ブルー缶のHELLES。
予想通りオーソドックスなピルスナーです。一頃よく見かけたデンマークのカールスバーグに近い軽さ。日本のラガーで言えばサッポロの赤星が近いか。昨今流行のキレより柔らかめな口当たりを追求している感じ。
ちなみにフィンランド語の“helles”は「軽い」。他に「光」という意味もあるそう。
ブラック缶のTUIMAは「厳しい」とか「荘厳」という意味のフィンランド語。ガツンとくるかと覚悟していたら、角の取れた完成度の高い濃いビールでした。
黒ビール系のドッペルボック(Doppel Bock)系と書きましたが、TUIMAに関しては濃褐色というのが適切。
果実香に加えて焙煎香があり、ほのかにコーヒーを感じました。口に含むと品の良い甘味が… アルコール度数が8.5%と高いので、チビチビ飲るビールですね。
ドッペルボック(Doppel Bock)は英語ではDouble Bock。ボックの中でも麦芽を多く使って醸造するそうです。
かつて修道士が造り、断食中の栄養補給のために飲んだと。「液体のパン」とも呼ばれていたとか。
愛称のTUIMAの「厳しい」「荘厳」は味わいを指すではなく、修道士の生き方を比喩しているかな… とも思いました。分かりませんが(笑)。
というワケで、束の間のフィンランドビールブームはとりあえず〆。
LaitilaのIPAとTUIMAは、出会ったらまた飲んでみたいビールです。