広島の八反錦と佐渡の朱泥焼締め

 

 

今宵の一杯は『華鳩』。広島、呉の酒です。

八反錦純米吟醸中汲み。「中汲み」というは、絞りはじめの「あらばしり」でもないし、最後に絞りきるため度数と雑味が強くなる「責め」でもないと。まぁ、日本酒の本体(本流?)と言ってよいのでしょう。普通、日本酒は、「中汲み」に「あらばしり」と「責め」をブレンドして作ります。「中汲み」は、見た目では透明度が高く、澄んだ味わいになります。

八反錦(はったんにしき)ってなんだ?主に広島県で栽培されている酒米。前に紹介した岡山の雄町(おまち)よりもマイナーです。八反錦の酒は「香りが高く、淡麗な日本酒に仕上がる」といわれています。

確かに、精米歩合は低めの55%なのに、しっかりとした吟醸香。これはいい!
一方、華鳩に関しては、八反錦の通説に従った淡麗さはありません。濃厚とまでは言えませんが、しっかりと旨味を発揮。おまけにほどよい酸味。実に見事に角が取れているのですが、今流行の日本酒のど真ん中ではない。「辛すぎず、香り高く、酸味を表に」という明確な方向性があります。
またまた反山田錦の血が騒いでしまいました!(笑)。

寄り添うぐい呑みは、佐渡の無名異焼、細野利夫さんです。朱泥の焼締めなので、常滑かと見まがいますが、これは佐渡の赤土。江戸時代に、金山銀山の残土から生まれたそうです。私からすれば、この赤土、金銀よりも、よほど価値がある!
佐渡の朱泥と八反錦の華鳩が、不思議とマッチした夜でした。

 

フキノトウが出た

わが家のネコの額の庭にフキノトウを発見!
葉っぱ(萼?)が開いてしまっていたので、「遅かったか…」と。「フキノトウは蕾で」という先入観を持っていました。
しかし、ちょっと調べてみたら、「花が咲いても大丈夫」、中には「花が咲いてからの方が美味しい」という意見も。
さっそく、収穫!というか、一応野生なので、“採取”かな。

フキノトウ味噌に。…と言っても、わたし流は、胡麻油で炒めたりとか一切なし。茹でて、酒で軽く延ばした味噌に練り込むだけ。味見をしたら、上出来でした。なんたって新鮮ですから!
湯豆腐に乗せても美味しいし、魚の切り身に乗せれば、料亭風の蕗味噌焼きも簡単に。
たった5個のフキノトウだけど、二三日は楽しめそうです。
花粉症さえなければ、“春”は最高なのですが(笑)。