錫のチロリ

CIMG0038買ってしまった!錫のチロリ。
ずっと欲しかった大阪・錫半のものが、池袋西武の骨董市に格安で。最新のデザインではありませんが、それが良いのです!
なんぼでっか?不粋なので具体的な値段は明かしませんが、もし、今、新品があるとしたら、その5分の1くらい(これを明かすだけで十分不粋か(笑))。取っ手が本来は竹巻なのですが、プラスチックに変えられています。ここだけ残念。
ワイドレンズで撮っているので大きさが分かりにくいかと思いますが、見た目は小さめ。しかし正一合どころか、すり切りまで入れると200cc入ります。

CIMG0049さっそく、ぬる燗です。
今日の日本酒は、神奈川の『丹沢山 純米』。うまい!
しかし、正直に白状してしまうと、これまで日本酒は99%、冷やで飲んできました。ぬる燗であっても、燗をつけてしまうと違いが分からない!?いえいえ、良い日本酒は燗をしても、絶対にあのツンとするアルコール臭は立ってきません。そこまでは分かっているつもりなのですが、しかし、その先は…
極めねば!

順番が逆かも知れませんが、このチロリを燗酒を知る入り口にしようと思っているのです。

 

 

 

初めてのアップルワイン

CIMG0033ニッカのアップルワイン、初めて飲みました!
1934年に余市で創業したニッカウヰスキー(創業時は大日本果汁株式会社)。ウイスキーは熟成に時間がかかるため、まずは余市名産のリンゴを使ったワインやシードルの醸造をはじめました。そして、1938年に世に出したのが『ニッカ アップルワイン』だったそうです。
リンゴワインにリンゴブランデー(カルバドス)を加えたもので、基本的なレシピは当時のままみたいです。

さて、味わいは…
甘いです(笑)。これはデザートワインですね。というか、デザートワインとしては上出来(安いし)。甘口のシェリーに似ていると言えば似てるかも… でも、間違いなくリンゴの香りがある。
アルコール度数が22度と高めなので、オンザロックや炭酸割りが良いようです。
嬉しいのは、ボトルとラベルがとってもクラシック!およそ80年前の発売当時と、あまり変わっていないらしいです。

妻から貰った義理チョコに合わせてチビチビと。禁断の甘さに酔いしれます。

 

 

 

鮃と柚子胡椒

CIMG0027天然の鮃なのである!
地元のスーパーで長崎産が手に入りました。縁側も見事でしょ!と威張りたいのも少しはあるが…
見て欲しいのは右手前に盛った赤茶色。味噌ではありません。赤の柚子胡椒です。
昨年、仕事で訪れた佐賀で、白身魚に柚子胡椒というのを覚え、すっかりはまってしまいました。
山葵と同じで、醤油に溶いてはいけません。刺身にちょこっと載せて、醤油につけるのは刺身の端っこだけ。魚の甘味がひきたちます。適度に脂の乗った鮃に最高でした!
柚子胡椒といえば緑が主流な気がしますが、どうも赤のほうが味が円やかなような気がします。思い込みかも知れませんが…

この食べ方を教えてくれたお店をご案内しておきます。
佐賀駅近くの『山里久』。これは広告ではありません(笑)。
お薦めです。

 

 

 

久々に貴腐ワイン

甘味は料理の敵である!と、このことに関しては少し頑固です。わが家には砂糖も、味醂もありません。
20160208_201537しかし、お酒はちょっと別(笑)。時々、無性にデザートワインが飲みたくなります。電車を待つ間に立ち寄った駅ナカのスーパーで、ボルドーの貴腐ワイン「ソーテルヌ」を見つけ、これは買いだ!
「ソーテルヌ」は、ハンガリーの「トカイ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」とともに世界三大貴腐ワインと称されています。たまたま妻が買ってきたチョコレートケーキとともに頂くと、最高!デザートワインは、「一緒に食べるデザートよりも甘くなくてはいけない」といわれています。

しかし、なぜこんなに甘くできるのか?
ワインの甘さは、通常は原料のブドウの甘さによって決まります。当たり前と思われそうですが、実はちょっと理屈があります。
ブドウの実に含まれるブドウ糖と果糖が果皮に付いている天然酵母でアルコール発酵したお酒がワイン。もし、果実が持つすべての糖類をアルコールにできるなら、甘いブドウほどアルコール度数が高いワインが作れることになります。しかし、酵母はアルコール度数が10度から14度くらいになると、活動できなくなります。自分で作り出したアルコールで死んでしまうのです。
従って、原料ブドウが甘ければ甘いほど(糖度が高いほど)、分解できなかった糖分が残って甘くなると。

生のままで糖度が高いブドウを使えば、甘いワインができますが、限界はあります。ところが、成熟したブドウに貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)というカビの一種が付いて繁殖すると、果皮から水分だけが蒸発して、とても糖度の高い果実になります。このブドウで作ったのが甘~い甘~い貴腐ワイン。17世紀のハンガリー(トカイ地方)、戦争の影響で収穫が遅れたブドウが貴腐化したのが、ルーツといわれています。おそらく、「参ったな~、せっかくのブドウが腐っちまった。でも、もったいないから醸造してみるか!」といった、農家の駄目もとチャレンジから始まったのでしょう(裏取り無し(笑))。

もうひとつ、有名な超甘口のデザートワインとしてアイスワインがあります。ドイツ生まれで、今はカナダでもかなり作っています。こちらは、寒さでブドウの果実が凍るのを待って収穫します。凍るといっても水分だけ。これが霜柱のように実の外に押し出されて、糖度の高いブドウができます。
アイスワインも何種類か飲んだことありますが、これも禁断の甘味!美味しいです。

では、貴腐ワインとアイスワインでは、どっちが美味しいか?興味深い設問ではありますが…

あっちこっちのサイトに、貴腐ワインは「ボトリティス・シネレアが作り出すさまざまな物質が複雑な味わいを…」なんて書いてありますが、テイスティングで貴腐ワインとアイスワインを言い当てるのは、かなり難しいようです。ソムリエ選手権でも、世界有数のソムリエたちが悩んだ末に間違ったりしていますので。もちろん、私にも判断できません。

いずれにしても、甘いワインに酔いしれた夜でした。
ちなみに、グラスは、熊本の吹きガラス作家・島田真平さん。私の思い込みかも知れませんが、なんとなくエジプトの古代ガラスの趣があって、好きな器です。