シリコンバレーの地ビール

シリコンバレーと共に育った地ビールがある。
ゴードン・ビアシュ(Gordon Biesch)だ。

最初にブルーパブを開いたのがパロアルト(Palo Alto: HPの本社があり、シリコンバレー発祥の地と言われる)で、それが1988年。以来、ハワイ、ネバダ、アリゾナ、ワシントンの各州にもブルーパブを開いている。どうやら、ITと歩を合わせるように共に伸びてきた地ビールのようだ。

今回は、サンノゼ(パロアルトとは15㎞くらいの距離)に泊まったのだが、残念ながらブルーパブには行けず悔しがっていたら、偶然入ったタイ料理屋にもゴードン・ビアシュ(瓶だけど)が並んでいて、まず感激!
完全にドイツ系のビールで、ピルスナー、メルツェン、ボック、デュンケルなどがある。また、白ビールもドイツ風にヘーフェ・バイツェンと呼んでいる。今回、飲んだ中で記憶に残ったのはメルツェンのコクを保った爽やかさだ。

しかし、世界のITの中心とも言えるシリコンバレーから、とってもスローなマイクロブルワリーという文化が育っていることが、嬉しい限りだ。

小さな町には小さなブルワリー

デトロイトのダウンタウンから、北に15㎞ほどのところにあるロイヤル・オーク市。
訪ねたのは、ROYAL OAK BREWING(ロイヤル・オーク・ブルーイング)。
ホールの片側がカウンターになっていて、その後ろに醸造タンクが並んでいる。
こんな小さな町にも、しっかりとしたブルワリー・ブルーパブがあるのが羨ましい。

基本的にはイギリスタイプの店だが、まず、ベルギータイプのウィートにトライ。これが「糠臭さ」が無く上出来だった。「ウィートをもう一杯」というよりは、次にエールやポーターへ行きたくなる。そんな味わいだった。

たまたま、開店十周年ということで、”10 YEAR CHEER”と命名されたエールを飲むことができた。なんと、アルコール度数10%のアンバーエールだった。味はエールの平均点。しかし、飲むほどに効いてくるのは確かだ。10度のエールは、さすがに初めてだったので、好い経験だった。

どの店も、何かしら楽しみながらビールを作っている。繰り返しになるが、羨ましい限り…
食べ物と飲み物だけは、絶対に米国には負けないと思ってきたのだが、地ビールだけはまったく追いつけない。「日の丸」「君が代」は嫌いだが、さすがに、頑張れ!ニッポンの地ビールと言いたくなる。