Burning River

20051019仕事で10日ほどアメリカに行ってきた。空港での非常にハードなセキュリティーチェックに辟易しながらも、各地でブルワリー・パブを訪ねることができたので、「極私的最新アメリカビール事情」といこう。

まずは、Burning River。川が燃えるとは?
別に、唐辛子入りの出来の悪い地ビールのことではない。
場所はクリーブランド。
グレートレイクブルーイングの素晴らしいペールエールだ。
グレートレイクブルーイングのブルーパブは、クリーブランドのマーケットアヴェニューというところにある(写真はマーケットアヴェニューにあるウエストサイドマーケット。グレートレイクブルーイングは、このすぐ近くにある)。

なぜ、Burning River?
クリーブランドは、グレートレイク=エリー湖に流れ込むカヤホガ川と、そこから延びる運河が物流を支えてきた町だ。20世紀に入ると製鉄と石油精製で栄えた。重工業からの廃油が、川を覆うという最悪の公害の時代があった。
1969年には、なんと川に火がついて大きな火災を引き起こしている。これがBurning Riverのいわれだ。その火災がキッカケとなって、公害防止につとめ、今は運河も大分きれいにはなっているが、クリーブランドの人々は反省を込めて、Burning Riverのエピソードを語り継いでいる。

さてビールだ。
Burning River Pale Aleは、メニューを見ると、 American Pale Aleのカテゴリーだと書かれている。ペールエールとしては色は濃いめで、ホップの苦みが心地良い。今回のアメリカ出張で飲んだビールの中で、間違いなくナンバーワンだ。
American Pale Aleという説明は、初めて見たが、他ではIndian Pale Aleと呼んでいるビールだと思う。
イギリスがインドを植民地としていた時代、長い船旅で腐らないように、思い切りホップを効かせた苦いビールを作った。これがIndian Pale Aleのルーツ。現在、イギリスではIndian Pale Aleを見かけることは少ないが、アメリカでは、マイクロブルワリーブームの中で、出来の良いIndian Pale Aleが作られてきた。

このブルーパブには、他にイギリス系ではポーター、ドイツ系でドルトムンターを含むラガー数種、さらにベルギー系のウィートビール(白ビール)もある。ポーターは色は真っ黒だが、味わいはダークエールといったところ。ドルトムンターは味わいの深いラガー。日本のラガーが水のように思えてしまう。
このグレートレイクブルーイング、いずれのビールも出来が良く、どれを飲んでもOK!
料理も良く、中でも記憶に残ったのは、オーガニック・マッシュルームのビザ。ゴルゴンゾーラチーズが効いていて、「目から鱗」の美味しさだった。

クリーブランドに行ったら、グレートレイクブルーイングを訪れる価値は絶対にある!
…と私は思う。アメリカではなかなか出会うこと無い、超お薦めだ。

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