最近、台湾の中国茶にはまっている。
凍頂烏龍茶や阿里山金萱包種茶といった王道も良いが、私が今、惹かれているのは「東方美人」。なんとも魅惑的な名前のお茶だ。
この「東方美人」、烏龍茶(青茶)の仲間だが、発酵度が高く紅茶に近い香りがする。
そして、もう一つ「東方美人」であるためには、栽培中の茶の新芽をウンカがかじらなくてはならない。「東方美人」には、ウンカが噛んだせいでできた思われる白い跡がたくさん付いている。
ウンカと言えば日本では稲の害虫として嫌われているが、茶ではウンカの分泌物質が美味の素となるらしい。
きっと、ウンカの大群に襲われた茶農家が「これじゃ、売り物にならねぇ!」とやけっぱちで飲んだお茶から始まったのだろう。
ウンカが活躍してこその「東方美人」。農薬の使用は極力抑えなくてはならない。すべての「東方美人」がオーガニックとは言い切れないが、無農薬の視点からこのお茶を評価し直す必要もありそう。
不思議な名前に惹かれて飲み始めた「東方美人」。奥が深そうだ。