『昭和から騒ぎ』三谷幸喜 翻訳・演出

 
 
三谷幸喜 翻訳・演出『昭和から騒ぎ』を観てきました。原作はシェークスピアの喜劇『から騒ぎ』です。
シェークスピア作品を日本を舞台に再構築する試みは、黒澤明の『蜘蛛巣城』『乱』、蜷川幸雄の『NINAGAWA・マクベス』が名高いが、三谷幸喜は、まったく違う世界へと展開。
舞台は1950年代の鎌倉。そう!小津安二郎の世界。

シェークスピアを小津安二郎というまな板にのせて調理するとは!

物語のすべては、ドイツ文学を研究する大学教授(高橋克美)の屋敷で展開する。
主役は教授宅を訪れた旅芸人一座の座長。大泉洋が演じる。八面六臂の大活躍とはこのことか!舞台でホントに大きく見える俳優です。わたし的には、大泉洋は、映画よりもテレビよりも舞台がイイ!
 
教授の長女が宮沢りえ。大泉洋との微妙な関係が物語の1つの軸になっていきます。
重い役が多い宮沢りえとしては珍しいコメディ。素晴らしく輝いていましたが、若干の衒いがあったかも(笑)。ファンとしては、それもまた美しい!のですが。
 
次女は松本穂香。脚本、演技、さらに衣装まで相まって、小津ワールドを一番体現していたと思います。「こういうキャラいるよね、小津映画に」という感じ。
 
突き抜けていたのは、山崎一演じる町の巡査。呼ばれてもいないのに、いろんなところに首を突っ込んでは混乱を巻き起こす。『これは、こち亀だ!』と心の中で叫んでしまった(笑)。
 
ラストは、ハッピーエンドの大団円に向けて一直線。個人的な好みとしては、チョット…なのだが、シェークスピアに文句付けてもしょうがないか!
と、爆笑しながらも、いろいろと考えさせられる舞台でした。
 
東京公演は、世田谷パブリックシアターで6月16日まで。その後、大阪、福岡、札幌、函館。この豪華キャストで全国公演は凄い!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です