2005年-酉年『参鶏湯』

Sam-ge-tan

2005年は酉年。女たちの韓流ブーム、男たちの北朝鮮バッシングというあまりに捻れた日本海の東と西にも新年はやってきます。mslab恒例の『干支のお料理』は参鶏湯。これしかない! 小さめの丸鶏に、餅米、高麗人参、乾燥棗(なつめ)、銀杏、大蒜(にんにく)を入れて作ります。
かつて、生の高麗人参は日本国内では、そう簡単に手に入るものではありませんでしたが、今や新宿歌舞伎町に『韓国市場』という強~い味方があります。「四年物」か「二年物」を選べるという凄いレベルになってます。

参鶏湯を自宅で作るなんて大変そうですが、実は大して難しいことはありません。まず、丸鶏(これも『韓国市場』で仕入れたブラジル産)を解凍してきれいに洗います。その腹の部分に餅米、高麗人参、乾燥棗、銀杏、大蒜を詰めていきます。煮ると餅米がふやけるので、まぁ腹八分目くらいにしておくのが良いようです。ちなみに、栗、生姜、クコの実、松の実、長葱、白瓜、甘草、当帰などを加え、より漢方色を強めたレシピもあります。

具を詰めた丸鶏を二時間ほど弱火で焚いていくのですが、この時に型くずれをしないようにする工夫が必要です。首とお尻を楊枝で留めて凧糸でしばるのが一般的ですが、今回は撮影のことを考えてガーゼで全体をくるみました。
一時間半ほど煮たら塩味を付けます。味見をすれば分かる通り鶏と高麗人参から美味しいスープが出ていますから、ほんの少し塩を入れればバッチリ!参鶏湯の味です。このあと三十分煮れば完成です。

それにしても、朝鮮半島には豊かな肉食文化があります。
魚や豆腐に関しては、おそらく世界でもっともユニークな食文化を持つ日本ですが、こと肉の食べ方に関しては、まったく敵いません。焼肉にしたって、日本では肉ばっかりを食べている印象ですが、本場では大量の生野菜に少しの肉という食べ方です。

アメリカの方ばかり向いていないで、ちゃんとアジアを正視し、アジアに内在する矛盾を解決しながらともに歩むことを考えていかないと、またまたトンでもない歴史を… そんな思いも込めて、参鶏湯に挑戦してみました。
遠い未来、アジアの統一通貨が登場できるような時代を夢見ながら…

2004年-申年『XO醤炒猴頭菇』

XO jiang hou tou gu

猿料理といえばインディジョーンズ!という話もありましたが、さすがに猿の活 け作りは厳しいものがあります。これはかなり苦しい… しかし!真面目に取り組んでみたらあったんですね。申年料理が。

栄えある申年料理の食材として選ばれたのは薬膳としても人気のあるヤマブシタ ケです。

中国では「猴頭菇(ホウトウクウ)」。その意は「テナガザルの頭のよ うな茸」です。なるほど、そのモサモサした感じが猿の頭そのものです。日本で は山伏の衣飾りに似ていることから、ヤマブシタケと呼ばれています。かつては 国内でも自生していたそうですが、今ではまったく見られないとのこと。現在、手に入るのは栽培されているものです。

世の中あまりいい話がなかった2003年を引きずるように始まった2004年。テナガ ザルのように枝から枝へと軽快に渡りながら下界を達観できれば、新しい道が見 えてくるのかも… なんていうのはお気楽すぎ!?

レシピ:

材料:ヤマブシタケ・生ホタテ・エビ・ブロッコリー・清湯・クコの実・ニンニ ク・根生姜・片栗粉・XO醤

1. ヤマブシタケを一口大に割りほぐす。ブロッコリーは一口大に切り分ける。
2. 生ホタテとエビに塩・酒・胡麻油・片栗粉で下味を付ける。
3. 中華鍋に熱湯を沸かし塩とサラダオイルを加え、ヤマブシタケ・ブロッコ リー・生ホタテ・エビをそれぞれ別々に茹でる。
4. 中華鍋にサラダオイルを熱し、ニンニクと根生姜のみじん切りを炒め、香り が出てきたらXO醤を加える。茹で上げたヤマブシタケ・ブロッコリー・生ホタテ・ エビと水で戻したクコの実を加え、清湯と醤油を加え、最後に水溶き片栗粉でと ろみをつける。鍋肌から胡麻油少々を流し込んで完成。

2003年-未年『クスクス』

couscous

mslab 恒例の『干支のお料理』、2003年はマグレブ(maghreb=北西アフリカのモ ロッコ、アルジェリア、チュニジアの三国を指す)からリビアにかけての代表的 料理、クスクス(couscous)です。マグレブの旧宗主国はフランスというわけで、クスクスはパリでもポピュラーな料理です。奇しくも、2002年のタルタルステーキに続き、フランスで定着しているエスニック料理になりました。

デュラム小麦の粗い粉末をクスクスと呼びますが、それにシチューのようなソースを掛けた料理もまたクスクスです。このク スクス、鶏肉や牛肉でも作りますが、何と言っても主流は羊。蒸かした粗挽き小麦にマトンやラムのトマトソース煮込みを掛けて食べる感じです。

さて、羊を食べることはどの宗教も禁じていないだけあって、世界中にはたくさ んの羊肉料理があります。
北京風の火鍋には羊肉を欠くことが出来ません。日本にだってジンギスカン鍋があります。中近東のカバブも羊が主流。アイルランドの肉ジャガと呼ばれるアイ リッシュ・シチューも羊でなくはいけません。
生きた羊の姿は、どうもその従順 そうな振る舞いが好みではありませんが、それ故に、人間は羊に人格(?)を感 じることなく、いにしえの昔から重要な食料としてきたのでしょう。羊はあらかじめ生け贄となることを準備された可哀想な動物なのかとも思われます。

ともあれ、マグレブ(Maghreb)とは、アラビア語で「西方」「日の没する国」 を意味する言葉。はるか遠方から伝わった羊肉料理を味わいながら、2003年を歩み始めることにしましょう。

レシピ:
22231. オリーブオイルで玉葱をよく炒める。
2. 塩胡椒をしたマトン(またはラム)のブロック肉と粉末にしたキャラウェイシード・コリアンダーシードを加え、さらに炒める。羊肉の色が変わったら水を加え、あくを取りながら2時間ほど煮込む。トマトぺースト(またはトマトピューレ)・セロリ・ニンジン・ジャガイモ・ズッキーニを加える。野菜に火が通ったら、塩胡椒で味付け。
3. 唐辛子とコリアンダーシード・ニンニク・クミン・キャラウェイシード・オリーブオイルなどをすり鉢ですり合わせて、クスクス専用の辛み調味料=ハリサ(アリサ)を作る(高級スーパー等で缶詰を入手することも可能)。
4. クスクスの粉に同量の熱湯を掛け4~5分。これをバターで炒める。
5. 蒸けたクスクスに羊肉のシチュー(ソース)を掛けて完成。ハリサはお好みでどうぞ。

2002年-午年『タルタルステーキ』

tartar steak

正月恒例『mslabの干支の料理』!2002年午年は、タルタルステーキに挑戦です。
八世紀に現れた蒙古系部族・韃靼人(ダッタン人=タタール人)がヨーロッパに伝えたとされる料理で、生の馬肉を細かく叩き、玉葱などのみじん切りを加えただけの簡単な料理ですが、これが美味い!

生肉を食べる習慣の無いヨーロッパにしっかりと定着し、今日でもタルタルステーキは、パリのブラッセリーで普通にメニューに載っています。

一方、ドイツでは、ハンバーグのルーツはタルタルステーキだという説が有力で、これまた驚異の韃靼人パワー!
『韃靼人』は、後に蒙古民族の総称として用いられるようになり、さらに文学的には(!?)モンゴロイド全体を指す呼称とされることもあります。いずれにしても、我らモンゴロイドの代表選手というワケです。
グローバリズム一点張りの昨今に、タルタルステーキこそがモンゴロイドの誇りを呼び覚ます!なんて考えると、包丁を持つ手にも力が入ります。

さて、タルタルステーキを作るにあたり…
馬肉は信州からでは面白くないな~と思いながらネットサーフィンしていたら、なんとモンゴルの馬肉を販売しているサイトを発見!無農薬の乾草によって肥育されたオーガニック馬なんですね。コレが!韃靼人のタルタルステーキのために、これ以上の馬肉は無いでしょう!かくして我が家の台所にモンゴルの風が吹く!というワケです。

レシピ:
解凍した馬肉をとにかく細かく切り刻みます。目安としては、粗めの挽肉って感じです。そこに玉葱、ニンニク、ケーパー、キュウリのピクルスのみじん切りを加え、オリーブオイルと塩胡椒で味を整えながら混ぜ合わせれば完成です。
生卵の黄身を載せてユッケ風にするレシピもありますが、遊牧民に生卵はないだろうと云うことで、今回は卵なしで作ってみました。

2001年-巳年『イラブーシンジ』

Irabu(Sea snake) food ~ Okinawa Japan

巳年である!21世紀である!

…とまぁ、いろいろ考えた末、2001年の年賀状は“イラブー”です。
猛毒を持つ沖縄のウミヘビ。那覇の国際市場に行けば、とぐろ状、棒状の薫製が売られています。
さて料理法は…

の前に、まず、これを東京で手に入れるのは不可能だということを報告しておきましょう。今回は馴染みの沖縄料理屋さんに頼んで、“棒状”のものを現地直送で手に入れました。

届いたのは、真っ黒なウミヘビの薫製。これを鋸で切って、6時間焚いて、別に焚いたトン足や昆布と併せて… というのが概ねの作り方なのですが、途中でイラブの骨を抜いて巻直すというエラく面倒な作業が入ります。結局は二日がかり。ここ数年続いた “MSLAB の干支の料理”の中では、最も手間の掛かる物でした。

昆布だしとイラブの薫製だけで焚いた煮汁を“イラブーシンジ”と呼びます。
“シンジ”は、おそらく“センジ(煎じ)”でしょう。これは強力です(一口口にしただけで、心臓バコ!バコ!)! あとトン足やらと併せていくと、とにかくクセの強い鰹節って感じですね。ウミヘビの肉自体は、二日掛けて煮ていく内に食べやすいものになります。知らない人には「野鳥の肉」と言えば通るほどです。

恐竜は自然環境の変化に対応して鳥類へと進化したとか… 一方では、トカゲ・蛇の類として生き延びたのは事実でしょう。沖縄のイラブーに恐竜のDNAは伝わっているのでしょうか… 伝わっているのだとしたら“イラブーシンジ”は3億年の味!?

2000年-辰年『伊勢エビの炒めもの広東風』

Shyon-ton gok ron ha

200さて、20世紀最後の年、2000年は辰年です。
福井県辺りで発掘された恐竜の骨を出汁にして、コモドオオトカゲでも煮込み、ズズイと吸えば、貴方のDNAに微かに残る、本物の『竜』のイメージが蘇るかも…
でもそれは、千年どころか三億年に及ぶ叶わぬ夢。

恒例の干支のお料理。
今年の食材は『龍蝦』。即ち、伊勢エビです。中国では、伊勢エビ(ロブスター)のことを龍蝦と呼ぶのです。 料理名は広東語で『上湯(火+局)龍蝦』(伊勢エビの炒めもの広東風)。

レシピ:
用意するものは、大きめの活け伊勢エビ(ロブスター)
青葱(ウチでは京葱を使用)、エシャロット
根生姜、ニンニク、片栗粉、紹興酒


清湯(澄んだ鶏ガラスープ)などです。 まずは、活け伊勢エビの解体から始めます。生きていますから、裏返して包丁を当てると「キー」とか「ギー」とか騒ぎたてますが、ここは一気に一刀両断。後は足先、背腸、肺を取り除きながら、適当にぶつ切りです。 切り分けた伊勢エビの身の部分にだけ片栗粉を付けて、180℃の油で油通し。殻が、見る見る鮮やかな赤に変わります。身まで火を通す必要は無いので、表面が固まったら、油から上げます。

中華鍋に少量の油を熱し、エシャロット、生姜、ニンニクを炒め、さらに青ネギを追加。香りが出たら、伊勢エビを投入。塩を加え、紹興酒と鶏ガラスープを注ぎます。
蓋をして強火で一気に蒸し煮状態に。途中、一度だけ伊勢エビをひっくり返します。 あまりゴチャゴチャいじると、身が殻から離れてしまうので、要注意。

最後に水溶き片栗粉でとろみを付けて、香り付けのごま油を鍋肌から注げば出来上がりです。

1999年-卯年『バレンシア風パエリア』

Paella Valenciana

mslab恒例の「干支のお料理」、1999年は卯年ということで動物愛護系の方からは眉をひそめられそうな料理にならざるを得ません。一時は“リンゴの兎”も考えたのですが、これまたグルメ系から「手抜きだ!」と批判を浴びそうですし…

というわけで、選んだ料理は“Paella Valenciana(バレンシア風パエリア)”です。バレンシア地方のパエリアには必ず兎とカタツムリが入ると知り、早速挑戦です。

日本には、「兎と亀」という組み合わせで童謡や童話がありますが、スペインでは兎の相方はカタツムリ。亀同様、ゆっくりと歩むというのが面白いですね。「兎とカタツムリ」という組み合わせは、純粋に味だけで決まったものではなく、何らかの教訓を含むのかも知れません。

さて兎肉… フランスやスペインでは普通の市場で売っていますが、日本ではなかなか手に入りません。有ってもプロ向けの10キロ単位だったりと、入手は困難を極めたのですが、結局、板橋に国産兎肉を1羽単位で小売りする店を発見。値段は1㎏当たり1000円ですから、安いですね。

Paella Valencianaの作り方は普通のパエリアと同じですから省きますが、丸ごとの骨付き兎を捌く作業は、さほど難しくなかったことを報告しておきます。

兎肉の味は鶏肉に近いもので上品な味わいです。因みに、兎を“羽”で勘定するのは、獣肉を食べることを禁じられていた仏教の僧が、鳥と称して誤魔化して兎を食べるためだったとか… 現在の日本では決してポピュラーな食材ではありませんが、「聖職者が嘘をついても食べたがった美味しい肉」でもあるのです!

1998年-寅年 虎魚(オコゼ)の造り

 

Okoze no Tsukuri

1998年、mslab新年恒例の「干支の料理」は? 寅年とはいえ、虎のステーキてなわけにはいきません。ワシントン条約でお縄になるのは御免ですから。 漢方では「虎の陰茎を干したもの」という恐ろしげな食材(薬剤?)もあるそうですが、超高価な上に日本では入手不可能でしょう。 …というわけで、今年の料理はオコゼとなりました。オコゼは漢字で「虎魚」、無理矢理ですが許せる範囲か!?

さて、虎魚… 奇々怪々な容姿に似合わず、すこぶる美味なこの魚、一般に夏が旬とされていますので、まず入手が大変。とりあえずインターネットで島原に虎魚を扱う魚屋があるのを発見。オンラインショッピングまでは扱っていなかったので、あとは電話とファックスです。クール宅急便で送られてきた島原の虎魚は、毒ヒレだけを取り除いた丸の姿。やはり迫力の外見です。 ところで、虎魚の毒ヒレは「指先を刺されただけで、腕一本腫れあがる」とか「相撲取りでも泣く」と言われるほどのもの。これはもう素人の手には負えません。虎魚料理に挑戦される方は、是非お気をつけください。

不細工な外見と背鰭の猛毒は、美味しすぎる身を持ってしまった虎魚の自衛手段なのでしょう。しかし、猛毒を隠し持ちながら海底に潜んで餌を待つ。そんな生き方は私には向きませんね!?

レシピ:
虎魚料理と言えば、まず薄造りです。
三枚に下ろしたら皮を引いて、丁寧にそぎ切りしていけばOK。フグのようにコロコロとした体型なので、比較的下ろしやすい魚です。皮も簡単に引くことが出来ます。 白身の薄造りが出来たら、皮と肝、さらに胃袋もお忘れ無く。これらを茹でて細切りし、薄造りに添えるのが本格的です。
湯に投じたとたんに膨れてくる皮は鮟鱇に似た感じ。胃袋もそれなりです。しかし、特筆したいのは肝。新鮮なせいもあったのでしょうが、クセや臭みが一切無く、今まで食べた魚の肝の中では、最も美味でした。「肝臓はかくありたい!」「γ-GTPはきっと正常値なんだろう」などと関係ないことを思い浮かべてしまいました。
残ったアラは当然、味噌汁。昆布だしに九州の麦味噌、日本酒少々を加えて煮込めば出来上がりです。味噌汁は沸騰させてはいけないと言いますが、こと魚の味噌汁に関しては、それは当たりません。味噌の味が魚に少し染み込むくらいで良いのです。

1997年-丑年『牛肉のビール煮』

 

Carbonnade a la Flamande

1997年、mslab恒例の干支のお料理は“牛肉のビール煮”だ(96年のネズミに比べれば軽い軽い!?)。
コツは、良いビールを使うこと。苦いばかりの日本のビールでは美味しく出来ない。ベルギーのトラピストタイプ(伝統的な手法で今も修道院内で造られているビール)かランビックタイプ(空気中の酵母を使って発酵を進める自然発酵ビール)を使いたい。2種類混ぜてもOK。
今回は、セバスチャン・グランクリュ(トラピスト)とベル・ヴーのグーズ(ランビック)を使用。水分はビール以外一切使用しない。
材料(調味料も含む)は、ビール、牛肉、玉葱、塩、胡椒、タイムのみ。しかし、甘みが素晴らしく出る。ビールから。
狂牛病にO-157と牛にとっては災難続きの96年だったが、今年は、牛の復活復権なるのでしょうか!?
ともあれ、私たちは猛牛猛進と行きたいものだ!  

レシピ:
牛もも肉の塊500gを一口大に切り、塩、胡椒、タイムを振って暫く置く。
タマネギ3~4個を薄切りにして、サラダオイルとバターで炒める。
飴色になるまで炒めたいので最低20分、出来れば30分以上頑張る!
下味をつけた牛肉をフライパンを使って強火で炒める。
焼き色が付いたら、タマネギのパン(シチューパンでも鍋でも可)に入れ、ビールを注ぐ。
あとは、気長に1時間ほど煮込み、最後に塩胡椒で味を調える。

1996年-子年『活き海老のプリッキヌーソース』

Kung chae nam pla
1996年は鼠年だ。mslab恒例の干支の料理による年賀状は、大きな試練の年を迎えた。戌年をホットドッグで誤魔化してヒンシュクを買ったことが数年前にあるだけに、半端なことは出来ない。意地の悪い友人たちは前の年の夏頃から「来年の年賀状、どうするの?」などとニヤニヤ聞いてくる始末だ。
南米に何とか言う猫ほどの大きさになる鼠がいて(江戸川にもいるという噂有り)、これは食用になると聞いたが、まず、肉が手に入らないし、料理法もさっぱり判らない。
そこで思いついたのが、“プリッキヌー”。タイ料理で使われる最も辛い小さな唐辛子だ。プリッキヌーとはタイ語で“ネズミの糞”という意味だ!
早速、新宿のタイ食材店で冷凍のプリッキヌーを購入し、タイ料理の中で最も象徴的にプリッキヌーを使う料理に挑戦した。

レシピ:
活き海老は尾を残して頭と殻を取る。背腸を取り氷水に晒し、身を引き締める。小鍋にお湯を沸騰させておいて、尾だけを茹でて赤い色を出す。
ソースの材料(4人分)は、

  • ナムプラー:大さじ3
  • レモンの絞り汁:大さじ3
  • プリッキヌー(みじん切り):5本分
  • ニンニク(みじん切り):1粒分
  • カー(みじん切り):親指大1個分(カーが手に入らなければ、根生姜で代用)。

これらを予め混ぜ合わせておき、水気を拭き取った海老の上からかける。ミントを飾れば、本格的タイ料理の出来上がりだ。