2017年-酉年『タイ風焼き鳥 Gai Yaang』

Thai-Style Grilled Chicken

2017年、酉年がやって来ました!

mslab恒例の“干支の料理”は楽勝!
世界中に鶏料理はあまたありますから。 しかし、あまたある故、その中から何を選ぶか…

“干支の料理”、Web上では22年目ですが、年賀状としては24年目(最初の2年はデジタルデータが残っていない)。
遂に3巡目に入ります。

…というわけで、一度先祖返りではないですが、1993年のわが家の年賀状を飾ったガイ・ヤーンに再挑戦。
タイ東北部名物のバーベキューチキンです。

焼いた(炙った)鶏肉と言えば、焼き鳥かローストチキン、せいぜい、タンドリーチキンしか知らなかった頃、ガイ・ヤーンの美味しさは衝撃的でした。
そのココナツ風味の虜になり、以来、現在に至るまで、タイ料理屋に行くと必ずガイ・ヤーンを注文してしまいます(笑)。

レシピをご紹介しましょう。
勝負はマリネ液の多様性です(笑)。 材料は、ココナツミルク、バイマックルー(コブミカンの葉)、レモングラス、パクチーの根、ニンニク、ナンプラーなど。あと、ウチでは入れませんが、砂糖とかオイスターソースですね。絶対に外したくないのは、バイマックルーとレモングラスで、この2つが入ると、俄然、本格的な味になります。
軽く振り塩をした鶏もも肉をマリネ液に漬け込むこと3時間。魚焼きグリルでじっくり焼き上げれば完成です。
ココナツミルクが焦げやすいので、あくまで弱火で。オーブンを使ってもOKですが、もともとが屋台料理なので、直火の方が雰囲気でしょう。

mslabの“干支の料理”は、3巡目突入を目指して、助走に入りました!まだまだ頑張りますよ!
挑む相手は、人類の食の多様性という大海!とはオーバーですが(笑)。

どうやら世界は、とても不透明で不安定な時代に突入したようです。
1990年代後半から、多様性(diversity)が未来への指針として叫ばれてきましたが、どうやら私たちはそれをいまだ身に付けることができていないようです。
もう一度、多様性を根底から捉え直さなくては… なんて思っています。もちろん、料理の話だけではありません。20178

2005年-酉年『参鶏湯』

Sam-ge-tan

2005年は酉年。女たちの韓流ブーム、男たちの北朝鮮バッシングというあまりに捻れた日本海の東と西にも新年はやってきます。mslab恒例の『干支のお料理』は参鶏湯。これしかない! 小さめの丸鶏に、餅米、高麗人参、乾燥棗(なつめ)、銀杏、大蒜(にんにく)を入れて作ります。
かつて、生の高麗人参は日本国内では、そう簡単に手に入るものではありませんでしたが、今や新宿歌舞伎町に『韓国市場』という強~い味方があります。「四年物」か「二年物」を選べるという凄いレベルになってます。

参鶏湯を自宅で作るなんて大変そうですが、実は大して難しいことはありません。まず、丸鶏(これも『韓国市場』で仕入れたブラジル産)を解凍してきれいに洗います。その腹の部分に餅米、高麗人参、乾燥棗、銀杏、大蒜を詰めていきます。煮ると餅米がふやけるので、まぁ腹八分目くらいにしておくのが良いようです。ちなみに、栗、生姜、クコの実、松の実、長葱、白瓜、甘草、当帰などを加え、より漢方色を強めたレシピもあります。

具を詰めた丸鶏を二時間ほど弱火で焚いていくのですが、この時に型くずれをしないようにする工夫が必要です。首とお尻を楊枝で留めて凧糸でしばるのが一般的ですが、今回は撮影のことを考えてガーゼで全体をくるみました。
一時間半ほど煮たら塩味を付けます。味見をすれば分かる通り鶏と高麗人参から美味しいスープが出ていますから、ほんの少し塩を入れればバッチリ!参鶏湯の味です。このあと三十分煮れば完成です。

それにしても、朝鮮半島には豊かな肉食文化があります。
魚や豆腐に関しては、おそらく世界でもっともユニークな食文化を持つ日本ですが、こと肉の食べ方に関しては、まったく敵いません。焼肉にしたって、日本では肉ばっかりを食べている印象ですが、本場では大量の生野菜に少しの肉という食べ方です。

アメリカの方ばかり向いていないで、ちゃんとアジアを正視し、アジアに内在する矛盾を解決しながらともに歩むことを考えていかないと、またまたトンでもない歴史を… そんな思いも込めて、参鶏湯に挑戦してみました。
遠い未来、アジアの統一通貨が登場できるような時代を夢見ながら…