てんぷらよこ田(天ぷら)

情報:
 港区麻布十番にある。tel.3408-4238。水曜休み。要予約。六本木アマンドの横から芋荒い坂を下りる。スェーデンセンターの先、約150m。右側のビルの2階。

独断と偏見:
おそらく東京で屈指の味の天ぷら。はっきりいって、ここの天ぷらを食べると、「天ぷら観」が変わる。素材の味を生かし切り、脂っぽさを感じさせないのは、素材選びの目と腕によるものだ。

 驚くのは、少ない量の油で揚げること。天ぷらの常識では、ネタが入ったときに温度が下がらないようにするため、油は多い方が良いとされている。よこ田の主人は「皆さんに新しい油で食べて欲しいから、少ない油をこまめに交換する。温度管理は、ガスの火力をもってすれば、全く問題ない。細かな火力調整でカバーできる」と語る。

 多くのネタを「カレー粉と塩を混ぜたものを付けてお召し上がりください」(結構、拒否しにくい言い方で言われる)と指示され、最初は戸惑うが、慣れるとこれが美味しい。

 主人は、食べ方について結構うるさいが、開店当時(12、3年前)を知る私としては、ずいぶん大人になったものだ、という感じ。数年前にアキレス腱を切ってしばらく店を休んでから、人当たりが変わったような気がする。初めて会うとちょっと緊張する相手だが、悪気はない。天ぷらを楽しんでくれる客をこよなく愛する天ぷら馬鹿だ。この人は。

 メゴチ、アナゴなどは年中美味しいが、例えば春はタラノメ、鮎の子、ギンポウなど季節のものを積極的に取り入れる。

 お好みも受けるが、コースで頼むのが無難。一人8500円(夜)だったと思う。足りなければ追加すればよい。コースの最後は、天茶で締めたい。

 この味で8500円は絶対に高くない。一度ご賞味あれ。

back to こんなお店見つけた!