初めてのアップルワイン

CIMG0033ニッカのアップルワイン、初めて飲みました!
1934年に余市で創業したニッカウヰスキー(創業時は大日本果汁株式会社)。ウイスキーは熟成に時間がかかるため、まずは余市名産のリンゴを使ったワインやシードルの醸造をはじめました。そして、1938年に世に出したのが『ニッカ アップルワイン』だったそうです。
リンゴワインにリンゴブランデー(カルバドス)を加えたもので、基本的なレシピは当時のままみたいです。

さて、味わいは…
甘いです(笑)。これはデザートワインですね。というか、デザートワインとしては上出来(安いし)。甘口のシェリーに似ていると言えば似てるかも… でも、間違いなくリンゴの香りがある。
アルコール度数が22度と高めなので、オンザロックや炭酸割りが良いようです。
嬉しいのは、ボトルとラベルがとってもクラシック!およそ80年前の発売当時と、あまり変わっていないらしいです。

妻から貰った義理チョコに合わせてチビチビと。禁断の甘さに酔いしれます。

 

 

 

久々に貴腐ワイン

甘味は料理の敵である!と、このことに関しては少し頑固です。わが家には砂糖も、味醂もありません。
20160208_201537しかし、お酒はちょっと別(笑)。時々、無性にデザートワインが飲みたくなります。電車を待つ間に立ち寄った駅ナカのスーパーで、ボルドーの貴腐ワイン「ソーテルヌ」を見つけ、これは買いだ!
「ソーテルヌ」は、ハンガリーの「トカイ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」とともに世界三大貴腐ワインと称されています。たまたま妻が買ってきたチョコレートケーキとともに頂くと、最高!デザートワインは、「一緒に食べるデザートよりも甘くなくてはいけない」といわれています。

しかし、なぜこんなに甘くできるのか?
ワインの甘さは、通常は原料のブドウの甘さによって決まります。当たり前と思われそうですが、実はちょっと理屈があります。
ブドウの実に含まれるブドウ糖と果糖が果皮に付いている天然酵母でアルコール発酵したお酒がワイン。もし、果実が持つすべての糖類をアルコールにできるなら、甘いブドウほどアルコール度数が高いワインが作れることになります。しかし、酵母はアルコール度数が10度から14度くらいになると、活動できなくなります。自分で作り出したアルコールで死んでしまうのです。
従って、原料ブドウが甘ければ甘いほど(糖度が高いほど)、分解できなかった糖分が残って甘くなると。

生のままで糖度が高いブドウを使えば、甘いワインができますが、限界はあります。ところが、成熟したブドウに貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)というカビの一種が付いて繁殖すると、果皮から水分だけが蒸発して、とても糖度の高い果実になります。このブドウで作ったのが甘~い甘~い貴腐ワイン。17世紀のハンガリー(トカイ地方)、戦争の影響で収穫が遅れたブドウが貴腐化したのが、ルーツといわれています。おそらく、「参ったな~、せっかくのブドウが腐っちまった。でも、もったいないから醸造してみるか!」といった、農家の駄目もとチャレンジから始まったのでしょう(裏取り無し(笑))。

もうひとつ、有名な超甘口のデザートワインとしてアイスワインがあります。ドイツ生まれで、今はカナダでもかなり作っています。こちらは、寒さでブドウの果実が凍るのを待って収穫します。凍るといっても水分だけ。これが霜柱のように実の外に押し出されて、糖度の高いブドウができます。
アイスワインも何種類か飲んだことありますが、これも禁断の甘味!美味しいです。

では、貴腐ワインとアイスワインでは、どっちが美味しいか?興味深い設問ではありますが…

あっちこっちのサイトに、貴腐ワインは「ボトリティス・シネレアが作り出すさまざまな物質が複雑な味わいを…」なんて書いてありますが、テイスティングで貴腐ワインとアイスワインを言い当てるのは、かなり難しいようです。ソムリエ選手権でも、世界有数のソムリエたちが悩んだ末に間違ったりしていますので。もちろん、私にも判断できません。

いずれにしても、甘いワインに酔いしれた夜でした。
ちなみに、グラスは、熊本の吹きガラス作家・島田真平さん。私の思い込みかも知れませんが、なんとなくエジプトの古代ガラスの趣があって、好きな器です。

赤でもなく、白でもなく、ロゼでもなく

20130813山梨県四恩酒造の「ブーケ2011 橙」。
ぶどう種は甲州100%。果皮とタネを一緒に仕込む「かもし発酵」を用いているので、「甲州の赤」と呼べるのかも。しかし、赤の味わいではないんだよな~ だいたい甲州の皮は茶色がかったグレーなので、一緒に仕込んでも赤くならない。「このワインはいったい何?」と、一瞬、常識の壁が立ちはだかった。

あっちこっちのホームページ(主に酒屋さん)に、香りはアニス・八角・バナナ・みかん・オレンジ・ライム・グレープフルーツ・杏子・マンゴーなど列挙されているが、私にはストレートに<梅>が来ました!甲州に限らず、ワインから梅の香りを取ったのは初めてかも… 多分、フレッシュな果実香と樽醸造の相乗効果でしょう。

常識の壁を越えた時、新鮮な出会いの価値が分かりました。
製法から見ると赤の系統だが、いわゆる赤ワインではない。もちろん白でもロゼでもない。
しかし、それもヨシと!旧来のカテゴリーに無理矢理おさめようとすると、本当の魅力を見失いそうな気が…

ある酒屋さんで隠し在庫を売ってもらったものなので、今はほとんど市場にはありません。次のリリースはしっかり買わねば!

今年のボージョレ・ヌーボーは…

毎年のように「史上最高の出来!」との触れ込みで上陸してくるボージョレ・ヌーボー。慌てて飲んだことはなかったし、美味しいと思ったこともなかったが、今年は、偶然、解禁日直後に遭遇。それに、史上最高!だそうだ。少しばかり期待をした。

しかし、駄目だ…
葡萄の味とアルコールが完全に分離した感じ。このアンバランスさはどうしようもない。葡萄ジュースに焼酎を混ぜても、こんな味と香りになるんじゃないかと思ってしまう。このワインは、生産地の新酒祭り以外で飲んでも、楽しくも何ともない代物だ。

今や、ボージョレ・ヌーボーの総輸出量の半分以上が日本に来ているとか… ちょっと恥ずかしい思いがする。

ナウサの赤

久々にギリシャワインを飲んだ。ギリシャ北部のナウサという町の名前が、そのままワインの名前になっている。「ナウサ」はギリシャを代表する赤ワイン。この地方にだけ古くから伝わるキシノマブロ(Xinomavro:クシノマブロとも記す)という葡萄種で作る。
今回入手したのは、ナウサにあるギリシャ最大のワインメーカー=ブターリ社のものだ。

数年前、仕事でギリシャ全土を回ったことがあるのだが、その時にもっとも記憶に残ったワインが「ナウサの赤」だった。ブターリ社のワイン貯蔵庫にも入り、ズラリと並んだ木の樽に圧倒されたのを覚えている。

地元の人たちは「ナウサこそがヨーロッパワインのルーツだ!」と語る。そりゃ、ヨーロッパ文明がギリシャから始まっているのだから、そういうことも言えるかも… ギリシャでは、紀元前4世紀に今日のAOC(原産地呼称統制法)に近いワイン法が制定されたという記録もあるそうだ。紀元前4世紀といえば、アレクサンドロス大王とその父・フィリッポス2世の時代。ナウサのあるギリシャ北部・マケドニア地方は、アレクサンドロス大王の故郷でもある。

ちなみに、古代マケドニアの首都・アイガイは現在のヴェルギナという町にあったという説が有力。ヴェルギナの考古学博物館では、フィリッポス2世の遺骨が入ったまま発見された黄金の小箱や黄金の冠など、マケドニアの繁栄を今に伝える宝物を見ることができる。ナウサからヴェルギナまでは車で30分ほどだったと思う(正確なデータではない)。
アレクサンドロス大王やフィリッポス2世もキシノマブロワインを飲んだのか。それは定かではないが…

さて、今回のナウサの赤。とにかく葡萄そのものの味と香りが伝わってくる。ドライな味わいで、苦味・甘味・酸味のバランスも程良い。香りも高く、全体としての完成度はかなりだと思う。スペインのリオハに似たところもある。

ただ、現地で飲んだ時は「ブターリのは軽い」という印象を得た覚えがある。中小メーカーのもので、もっとヘヴィーなナウサの赤があった。地元では「ナウサの赤は重い」という評価が主だったと記憶しているので、他のメーカーのものも今度試してみよう。
ついこの間までは、日本ではブターリのものしか買えなかったのだが、ネットで見るといつの間にか数社の「ナウサの赤」が入ってきている。