和をもって… 先割りの話

芋焼酎をどう飲むか… かつてはお湯割りが当然だったが、ここ数年のブームの中で出てきている少しばかり上品な芋焼酎は、ロックや水割りなどでも楽しめる。
そこで、先割り。焼酎を飲む数日前に水で割っておくと美味しくなると言う。「ホントか?」と思っていたが、ホントだった。

芋にしても、米にしても、麦にしても、若干の油分を持っている。その植物起源の油分は蒸留酒である焼酎にも微量だが残るそうだ。そして、油分にしか融けない香りや味がある。これが水分やアルコールと馴染むまでには時間がかかる。宮崎県日南市の芋焼酎メーカーで聞いた話なので、間違いないだろう。

蔵での焼酎造りでは、蒸留仕立ての原酒(70度以上ある)に水を加えて焼酎にする。この作業を「和水(わすい)」と呼ぶ。「加水」でないのがなんとも嬉しい。どこの蔵でも「和水」に最低三週間の時間をかける。理由は上記の通り。「和」とは、こういう時にこそ使う言葉だと思う。

私が出会った蔵の社長は「先割りは理にかなっています。蔵で行う和水と同じですから」と語ってくれた。最低一昼夜、できれば一週間以上置くと、先割り焼酎は抜群に旨くなる。先割りもまた「和(=「なごみ」と読みたい)」を生む。

私は最近、6対4の先割り焼酎を冷蔵庫で冷やしておいて、氷を使わずに大きめの猪口で飲むスタイルにしている。これなら飲んでる途中に薄まることもない。ささやかな「和」の時である。

美人、東方より現る

20050629

最近、台湾の中国茶にはまっている。
凍頂烏龍茶や阿里山金萱包種茶といった王道も良いが、私が今、惹かれているのは「東方美人」。なんとも魅惑的な名前のお茶だ。

この「東方美人」、烏龍茶(青茶)の仲間だが、発酵度が高く紅茶に近い香りがする。
そして、もう一つ「東方美人」であるためには、栽培中の茶の新芽をウンカがかじらなくてはならない。「東方美人」には、ウンカが噛んだせいでできた思われる白い跡がたくさん付いている。
ウンカと言えば日本では稲の害虫として嫌われているが、茶ではウンカの分泌物質が美味の素となるらしい。
きっと、ウンカの大群に襲われた茶農家が「これじゃ、売り物にならねぇ!」とやけっぱちで飲んだお茶から始まったのだろう。

ウンカが活躍してこその「東方美人」。農薬の使用は極力抑えなくてはならない。すべての「東方美人」がオーガニックとは言い切れない、無農薬の視点からこのお茶を評価し直す必要もありそう。

不思議な名前に惹かれて飲み始めた「東方美人」。奥が深そうだ。