日本の地ビール

日本の地ビール


エチゴビール

南信州ビール

モクモクビール

白雪ビール

御殿場高原ビール

常陸野ネストビール

薩摩ビール

サンクトガーレン

ろまんちっく村(宇都宮)



エチゴビール

http://www.echigo-beer.jp/
原発の住民投票で全国に有名になった新潟県巻町にある。
経営の母体は“越後鶴亀”の上原酒造。日本の地ビール第一号だ。
ブラウマイスターはガーナ人のバワ・デムヤコさん。この人が優秀で良いビールを作っている。特にスタウトは今年の世界コンクールで3位に入賞した。ほろ苦さの中に、エスプレッソコーヒーのような甘さを秘めた傑作ビールだ。
正統派のイギリスタイプのビールを中心に造っている。


南信州ビール

http://www.ms-beer.co.jp/
長野県駒ヶ根市にある。
経営母体は地元とマルスウイスキーなどによる第三セクター。
マルスウイスキーは、もともと九州の焼酎メーカーだ。10数年前の地ウイスキーブームの時に話題になったという記憶がある。「地…」に縁のあるメーカーだ。
アメリカのマイクロブルワリーで流行っているデュンケル・ヴァイッエンを日本で唯一作っている。出来も良い。デュンケル・ヴァイッエンは小麦麦芽と焙煎麦芽(黒ビールに使う)をブレンドして、爽やかさと甘み、コクを両立させている。


モクモクビール

http://www.moku-moku.com/monodukuri/beer.html

三重県阿山町にある。
地ビールのブルーパブは不便なところにあることが多いが、ここは特に凄い。JRの柘植という駅からタクシーで20分ほどだが、柘植にはタクシーが3台しかない。運が悪いと結構待つことになる。 ハムやソーセージなどを地元の若者の手で作ってきたモクモクファームの経営で、ビールも農業生産物の一つととらえている。
ここで特徴的なのは、麦芽の自家生産を行っていることだ。麦芽は発芽した大麦を乾燥させて作るのだが、結構手間がかかるし、少量ではコスト的にも高くつくと言う。しかし、ここでは地元産の大麦を使うというこだわりから麦芽の自家生産に取り組んでいる。
他の地ビールメーカーは、ほとんどが輸入麦芽を使用している。国産の大麦を使っているところでも、麦芽作りは大手メーカーに依頼しているようだ。
モクモクビールでは、酵母入りの伊賀高原ピルスナーを試してみたい。濁ったピルスナーにはなかなかお目にかかれない。小麦麦芽入りのビスケット・ヴァイツェンも良い。


白雪ビール

http://www.konishi.be/
兵庫県伊丹市にある。清酒「白雪」の小西酒造が母体。
日本で唯一、ベルギータイプの地ビールを作る。女性の醸造師がいるのも特徴的だ。古い酒蔵を改造したブルーパブは雰囲気満点で、いつも混んでいる。
“通い瓶”での持ち帰りサービスもあり、地元では人気だという。


御殿場高原ビール

http://www.gkb.co.jp/
ドイツ系で、ピルスとデュンケルを定番にしている。3月一杯までヴァイツェンがあったので、これを取り寄せて飲んでみた。ほのかな酸味と果実香があり、上出来のビールだ。
ドイツ人のブラウマイスターがいるとのことで、しっかりしたビールが作られているようだ。偏見かもしれないが、現状では外国人のブラウマイスターを抱えたマイクロブルワリーが美味しいビールを作れているようだ。早く、日本人の素晴らしいブラウマイスターが育ってほしいとも思う。
送られてきたヴァイツェンは、2リットルのタンクだったが、初めてなので人も呼べず、とりあえず一人で一気に飲んでしまった。次からは、2本くらい頼んで、友人とワイワイやりながら飲みたいと思っている。
このマイクロブルワリーは、通販の品質管理にも徹底した気遣いをしてくれる。E-MAILでの確認が、申し込み時、発送日決定時、到着前日と3回もくる。クロネコヤマトの功績かもしれないが、夜間配達に応じてくれるのもうれしい。注文時には何日に製造するどの種類のビールが、あと何本予約可能かも明示されて、なかなか良い。かなりコンピュータとインターネットに長けた人がいると見た。


常陸野ネストビール

http://kodawari.cc/top.html
茨城県那珂郡那珂町の木内酒造が造っている。
インターネットで直接注文して、ペールエール・アンバーエール・スタウトの三種類を飲んでみた。
どれも良い出来だが、特にアンバーエールは素晴らしい。エスプレッソコーヒーを思わせる芳醇な焙煎香がしたのには驚いた。スタウトは嫌味のない“濃さ”で香りも良く上品にまとまっている。ペールエールはオーソドックスな感じだ。何れもイギリス人を唸らせる力を持った本格的な英国系ビールだと思う。
“チバラギ”だの“ダサイタマ”だの言われ、食文化も不毛の地(!?)と考えられがちな東京近県にあって、面目躍如の素晴らしいビールが登場した。個人的には、鮟鱇に続く茨城県第二の名産に指定したいくらいだ。


薩摩ビール

http://www.denden.net/sb/
鹿児島県国分市の地ビール。
頂き物で、薩摩ヴァイツェン、クリスタルヴァイツェン、薩摩エール、薩摩デュンケルの4種類を飲んだ。
薩摩ヴァイツェンは、とても良い出来で、日本で作られたヴァイツェンとしては、最高峰を行くのでは… クリスタルヴァイツェンは濾過したヴァイツェンのようで、美しい黄金色をしながら、独特の発酵臭を漂わす。評価は難しいところ。薩摩エールは、炭酸がかなり強いタイプで、イギリス正統派と言うよりも、カリフォルニアのエールに近い。出来は悪くないが、炭酸の強さが浮いた印象を受けた。デュンケルは適度な濃厚さで美味しかった。


サンクトガーレン

http://www.sanktgallenbrewery.com/
日本の地ビールの草分けて存在。かつては六本木のブルーパブでしか飲めなかったと記憶しているが、瓶で購入できるようになったのが嬉しい!
ゴールデンエール、アンバーエール、ブラウンポーターの3種類を作っている。エールはともにホップの利いたカリフォルニアタイプで美味しい。ポーターもチョコレート風味が出ていて上出来。
サンクトガーレンが最も素晴らしいのは、低価格を実現していること。小瓶一本290円は他の地ビールに比べてかなり安いし、大手メーカーのビールと大差ないレベルにある。アメリカでもヨーロッパでも地ビールだからといって、極端に高い値段にはしていない。日本の地ビールには、小瓶一本500円以上なんてのがある。これでは安心して飲めるビールとは呼べないし、地ビールが本当に市民権を獲得するためには、大手のビールと対抗できる値段を実現してこそだ。
各地ビールメーカーは、サンクトガーレンを見習って、低価格化を実現して欲しい。
念のために書くが、サンクトガーレンは安いからといって、品質や味において他の地ビールに劣る点は一切無い。むしろ、日本の地ビールの中で確実に上位に入る美味しいビールを造り続けている。


ろまんちっく村(宇都宮)

http://www.romanticmura.co.jp/beertop/index.html
地元栃木県産の二条大麦を使った宇都宮の地ビール。 「麦太郎」「麦次郎」「餃子浪漫」の三種類を飲む機会に恵まれた。
「麦太郎」は、酵母無濾過のピルスナーと思われ、どっしりとした存在感がある。「麦次郎」は軽いピルスナーで、チェコ系というよりは出来の良いアメリカンか… 「餃子浪漫」はアンバーエールの部類で、軽めだが、エールらしい味と香りを出している。
地元産の原料を使うのは、地ビールにとって当たり前と思いがちだが、実現している例は少ない。良い取り組みだと思うので、今後も頑張って欲しい。
一考して欲しいのは、ビールの命名で、 「餃子浪漫」は、ちょっと頂けない。あと、ラベルにビールの分類が明記されていない(と思う)のも、残念か…
今回は、瓶詰めを飲んだが、一度、ろまんちっく村の地ビールレストランに足を運んで、出来たてを飲んでみたいと思わされた。


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